せと・林歯科矯正歯科

3Dプリント義歯とは?|デジタル歯科が変える入れ歯治療の現在と未来

「入れ歯は時間がかかる」「何度も調整が必要」「合わないのは仕方ない」
このようなイメージをお持ちの方は少なくありません。

近年、歯科医療のデジタル化が進む中で、
3Dプリント義歯という新しい選択肢が登場し、
従来の義歯治療の考え方そのものが変わりつつあります。

本コラムでは、

  • 3Dプリント義歯とは何か
  • 従来の義歯との違い
  • どんなメリットがあるのか
  • どんな点に注意が必要か
  • どんな方に向いているのか

を、歯科医師の立場から分かりやすく解説します。


義歯(入れ歯)治療のこれまで

従来の義歯治療では、

  1. 型取り(印象採得)
  2. 石膏模型の作製
  3. 技工所での手作業による製作
  4. 試適・調整

という工程が一般的でした。

この方法は長年使われてきた確立された技術ですが、

  • 型取り時の不快感
  • 技工士の手作業によるバラつき
  • 破損・変形のリスク
  • 再製作に時間がかかる

といった課題もありました。

こうした問題を解決する技術として注目されているのが
3Dプリント義歯です。


3Dプリント義歯とは

3Dプリント義歯とは、
口腔内スキャナやデジタル印象で取得したデータをもとに、3Dプリンターで義歯を製作する方法です。

従来の「手作業中心」の工程に対し、

  • デジタルデータで設計
  • コンピュータ上で形態をコントロール
  • レジンを積層して精密に造形

という、再現性の高いデジタルワークフローが特徴です。


3Dプリント義歯の製作の流れ

 一般的な3Dプリント義歯の流れは以下の通りです。

  1. 口腔内スキャンまたはデジタル印象
     従来の粘土状の型取りを使わず、デジタルで歯ぐきや噛み合わせを記録します。
  2. CADによる義歯設計
     人工歯の位置、歯列、床の厚みなどを画面上で精密に設計します。
  3. 3Dプリント
     医療用レジンを用いて、義歯床や人工歯を高精度に造形します。
  4. 後処理・調整
     研磨や最終調整を行い、口腔内で適合を確認します。

従来義歯と3Dプリント義歯の違い

① 精度と再現性

3Dプリント義歯は、
デジタルデータをもとに製作されるため、再現性が非常に高いのが特徴です。

  • 同じデータから同じ義歯を再製作できる
  • 技工士の経験差によるブレが少ない

これは、長期使用や再製作時に大きなメリットとなります。


② 治療期間の短縮

デジタル工程により、

  • 技工工程が効率化される
  • 再製作が迅速

となり、
通院回数や完成までの期間を短縮できる可能性があります。


③ データ保存という新しい価値

3Dプリント義歯では、

  • 義歯の設計データ
  • 噛み合わせ情報

がデジタルデータとして保存されます。

万が一、

  • 義歯を紛失した
  • 破損した

場合でも、
同じ設計で再製作が可能という点は、従来義歯にはない大きな利点です。


3Dプリント義歯のメリット

  • 型取りの不快感が少ない
  • 高い適合精度
  • 再製作がしやすい
  • デジタルによる一貫管理
  • 技工工程の効率化

特に、高齢の方や嘔吐反射が強い方にとって、
型取りが楽になる点は大きなメリットです。


3Dプリント義歯の注意点・限界

一方で、3Dプリント義歯は万能ではありません

① 材料の制約

現時点では、

  • 金属床義歯
  • 特殊な構造義歯

など、
すべての義歯を3Dプリントだけで完結できるわけではありません


② 噛み合わせ・調整は依然として重要

どれだけ精密なデジタル設計でも、

  • 噛み合わせの微調整
  • 実際の使用感

は、口腔内での確認と歯科医師の調整が不可欠です。

3Dプリント=調整不要、というわけではありません。


③ 医院の技術力に依存する

3Dプリント義歯の質は、

  • 診断力
  • 設計力
  • デジタル技術への理解

によって大きく左右されます。

機械が作る義歯ではなく、歯科医師と技工士がデジタルで作り上げる義歯
という理解が重要です。


3Dプリント義歯はどんな人に向いている?

  • 型取りが苦手な方
  • 義歯の再製作リスクに備えたい方
  • 通院回数を減らしたい方
  • デジタル管理された義歯を希望する方

一方で、

  • 非常に高い咬合力がかかる症例
  • 金属床義歯が適応となるケース

では、
従来法の方が適する場合もあります。


デジタル義歯時代に大切なこと

3Dプリント義歯は、
義歯治療を効率化・高精度化する非常に優れた技術です。

しかし、

義歯治療の本質は、
デジタルかアナログかではなく、
「正確な診断」と「適切な設計」

であることは変わりません。

デジタル技術は、
歯科医師の判断と経験を支える「道具」であり、
それ自体が治療の質を保証するものではないのです。


まとめ|3Dプリント義歯は「選択肢を広げる技術」

3Dプリント義歯は、

  • 義歯治療の精度向上
  • 患者さんの負担軽減
  • 再製作の安心感

を実現する、
これからの義歯治療を支える重要な選択肢です。

一方で、
すべての症例に適応できるわけではなく、
患者さん一人ひとりに合わせた判断が必要です。

「自分にはどんな義歯が合うのか」
「3Dプリント義歯は適応になるのか」

気になる方は、
ぜひ一度、歯科医院で相談してみてください。
正しい情報と丁寧な診断が、
快適な入れ歯生活への第一歩になります。

当院でも3dプリント義歯を作成可能です。

ぜひ一度ご相談ください。ご予約はこちらから!

林歯科医院 (瀬戸市 | 尾張瀬戸駅)| EPARK歯科

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