はじめに:その歯ぎしり、放置していませんか?
「朝起きると顎が痛い」
「歯がすり減ってきた気がする」
「家族に『歯ぎしりしてたよ』と指摘された」
これらの症状は、**“歯ぎしり(ブラキシズム)”**のサインかもしれません。
歯ぎしりは、睡眠中や日中に無意識に行われることが多いため、**自分では気づきにくい“隠れた癖”**です。しかし放置すると、歯のすり減りや割れ、顎関節症、頭痛、肩こりなど、全身に悪影響を及ぼすリスクがあります。
このコラムでは、瀬戸市の林歯科医院が「歯ぎしりをしている人の特徴」「原因」「放置した場合のリスク」「歯科での治療法」などをわかりやすく解説します。
1. 歯ぎしり(ブラキシズム)とは?
歯ぎしり(英:bruxism)は、上下の歯を無意識にすり合わせたり食いしばったりする行為で、次の3つのタイプに分類されます。
▶ グラインディング(grinding)
- 歯を横方向にギリギリと擦り合わせる動き
- 就寝中に多く見られ、歯の摩耗が進みやすい
▶ クレンチング(clenching)
- 歯を強く食いしばる動き
- 日中に見られることが多く、顎関節や筋肉に負担
▶ タッピング(tapping)
- 上下の歯を小刻みにカチカチと打ち鳴らす
- 比較的まれなタイプ
2. 歯ぎしりをしている人の特徴10選
以下は、歯ぎしりをしている方に多く見られる代表的な特徴です。
① 朝起きたときに顎がだるい・痛い
→ 就寝中に強い力がかかっている可能性があります。
② 歯がすり減っている(咬耗)
→ エナメル質が削れ、象牙質が露出してしまうことも。
③ 詰め物・被せ物がよく壊れる・外れる
→ 異常な咬合力により補綴物が破損します。
④ 顎関節に違和感がある
→ カクカク音がする、口を開けづらいなどの症状。
⑤ 慢性的な頭痛・肩こり
→ 顎周りの筋緊張が全身に波及しているケース。
⑥ 睡眠の質が悪い
→ 歯ぎしりによって交感神経が刺激され、深い睡眠が妨げられます。
⑦ 家族に歯ぎしりの音を指摘された
→ ガリガリ・ギリギリという異音が特徴。
⑧ 舌や頬の内側に歯型がある
→ 無意識の食いしばりによって粘膜に圧痕が残ることがあります。
⑨ 歯がしみる・知覚過敏がある
→ 歯の摩耗による神経過敏の症状。
⑩ ストレスを感じやすい・几帳面な性格
→ 真面目で責任感の強い方ほど、無意識の緊張が現れやすい傾向があります。
3. 歯ぎしりの主な原因
✅ ストレス・不安
日中の緊張や不安が、睡眠中に歯ぎしりという形で表れることがあります。
✅ 噛み合わせの異常(不正咬合)
上下の歯の噛み合わせがズレていると、無意識に調整しようとする動きが出ます。
✅ 習慣化されたクセ
スポーツやデスクワーク中などに無意識に食いしばる習慣がある人も。
✅ 脳の活動(レム睡眠中の反射)
睡眠中の神経活動の一部として起こることもあります。
4. 歯ぎしりを放置するとどうなる?
🦷 歯の破折・摩耗
長年の歯ぎしりは、歯の構造を破壊してしまう原因になります。
🤐 顎関節症のリスク増加
顎関節に負担がかかり、口が開けにくくなったり、音がするようになります。
💥 補綴物の脱離・破損
セラミッククラウンやインレーが外れる・割れる原因にも。
😖 頭痛・肩こり・首こり
顎から肩・首にかけての筋肉が常に緊張状態になり、全身症状を引き起こします。
5. 林歯科医院で行っている歯ぎしり対策
林歯科医院では、歯ぎしりや食いしばりの症状に対して根本的かつ多角的なアプローチを行っています。
◎ ① ナイトガード(マウスピース)の作製
- 睡眠中に装着することで、歯と顎を保護
- 保険適用で作製可能(約5,000円前後)
◎ ② 噛み合わせ(咬合)の診断と調整
- 歯の高さや接触部位を確認し、必要に応じて咬合調整
◎ ③ MFT(口腔筋機能療法)による改善
- 舌・口唇・頬の筋肉を鍛えて、無意識の咬合力をコントロール
- 姿勢や呼吸の指導も併せて行います
◎ ④ ボツリヌストキシン治療(ボトックス)
- 咬筋への注射により食いしばりを軽減(自費診療)
◎ ⑤ ライフスタイル指導
- 睡眠前の習慣、姿勢、ストレスマネジメントなど
6. 歯ぎしりのセルフチェックリスト
□ 朝起きたときに顎が重い
□ 歯が平らになってきた気がする
□ 歯がよく欠ける・しみる
□ 睡眠中に歯ぎしりを指摘されたことがある
□ 無意識に歯を食いしばることがある
□ 肩こりや頭痛が慢性的にある
3つ以上当てはまる方は、歯科での精密な診断をおすすめします。
7. よくある質問(FAQ)
Q. 歯ぎしりは治りますか?
→ 完全に「治る」とは限りませんが、症状の緩和や進行の防止は十分に可能です。
Q. ナイトガードはどれくらい持ちますか?
→ 個人差がありますが、通常は半年~1年程度での交換が目安です。
Q. 保険は使えますか?
→ はい。ナイトガードは保険適用されます(条件あり)。
8. 林歯科医院からのメッセージ
歯ぎしりは「ただの癖」ではなく、お口や身体のSOSサインかもしれません。
放置すればするほど歯や顎への負担は蓄積し、将来的な大きなトラブルにつながる恐れがあります。
林歯科医院では、患者さまの生活背景やストレスの状況もふまえて、最適な治療方法をご提案しています。
「もしかして歯ぎしりしてるかも」と思ったら、お気軽にご相談ください。
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